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【号外】第13回日本骨粗鬆症学会(1)

11月3日(木)〜5日(土)の3日間、神戸国際会議場にて開催され出席しました。


今回特筆するのは、整形外科医・産婦人科医・小児科医・内科医・歯科医・栄養大学教授・薬剤師の先生方1400人の参加で、演題発表(研究発表)・シンポジウム・講演の数は240題にも及びました。

朝7時40分からの講義で始まり昼食を摂りながらのセミナーがあり、夜7時20分まで連続のプログラム。

その後7時30分より9時30分まで夕食を食べながらの情報交換会という、1日14時間の非常にハードなスケジュールでした。

その分、たくさんの先生方の研究を聞くことが出来、大変勉強になりました。

今回は年齢順に、カルシウム・骨密度の経緯を書きたいと思います。


産婦人科医

妊娠中は20mg〜50mgのカルシウムが胎児に送られます。最近では、双胎妊娠(双子ちゃん)が増えてきているので、その量は倍の計算になります。

妊婦の妊娠初期の骨密度量はその人の小児期の牛乳の摂取量が大きく影響しているそうです。

早産の場合、22週から37周に出産する人は全体の22%に上るそうです。しかし、その間は安静状態が続くため、妊婦の骨密度が下がってしまいます。これにより、母乳の質に影響が出てきているそうです。

※「昔は小さく産んで大きく育てる。」と言われてきましたが、今は、「小さく生まれた子は糖尿病になりやすい。」というデーターがあるようです。


小児科医

小児期の牛乳摂取量が多いとBMIが減るといわれているそうです。

この時期の牛乳摂取量が閉経後の骨密度に大きく関わっているそうです。

女子では、初経が早いほど骨密度が高いということです。

しかし、初経が遅いほど長生きをしているというデーターもあるそうです。

また、外遊びが少ない・外に出るときにUVクリームを使う子には骨密度が低い子が多いそうです。


内科医

アレルギーによる食事制限の為にビタミンDが不足して「くる病」になる例があります。

けいれんを起こし救急で搬送される例が増えているそうです。

神経性食思不振症(拒食・過食)の人に骨密度の低下が多い。

生活習慣病が増えています。これにより骨粗鬆症になる例。

高血圧   
糖尿病    1型糖尿病は骨密度が低い。
2型糖尿病は骨密度は高いが骨質が悪く骨折が多い。
腎臓病    リン

慢性腎臓病によるミネラル代謝異常

腎機能の低下によって、高リン血症になりやすい。骨粗鬆症の原因にもなっています。

リンは体に摂って大切なミネラル成分ですが、摂り過ぎると大変危険な成分のようです。

ビタミンDの不足により副甲状腺機能が低下するようです。

ビタミンD・K・リンについては次号で詳しく書きたいと思います。

女性のUVクリームの使い過ぎに注意してください。1日15分くらいは腕の日光浴をしましょう。


婦人科医

妊娠前のBMI、体重が低い人は骨密度が低くなります。

卵巣摘出後数年で骨密度が25%前後下がるそうです。

閉経後3年間位が骨密度が一番下がるようです。

エストロゲン製剤は、骨粗鬆症予防にはなりますが、乳がんになる危険性もあるようです。


更年期

更年期障害・抑うつ・子宮体がん・乳がん等の薬が骨粗鬆症の発症につながることがあるようです。


次号は整形外科と女子栄養大学の教授の発表を書きたいと思います。

転ばぬ先の“チエ”必要ですね!


骨粗鬆症の予防にはやっぱり牛乳がおすすめ!



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