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Vol.01 心臓と血圧のはなし

心臓は、収縮と拡張を1日に約10万回も繰り返し、全身に血液を送り出している。血液は、心臓からまず大動脈に送り出され、さらに細かく枝分かれした細動脈を通って、最後は毛細血管に流れ込む。

血液には、全身の臓器や気管に酸素や栄養を送り届けるだけでなく、炭酸ガス(二酸化炭素)や体に不必要になった物質を細胞から受け取る役目がある。全身を回って炭酸ガスなどで汚れた血液は、静脈を通って心臓にもどる。このように、血液が心臓から送り出されて、再び心臓にもどってくるまでの循環を「体循環」という。

全身を回って心臓にもどった血液は、肺動脈を通って肺に送られる。肺で炭酸ガスが排出され、肺内の空気から大量の酸素を取り入れ、肺静脈を通って、再び心臓にもどる。この循環を「肺循環」という。

このようにして、血液は心臓を中心として絶えず体内を循環している。その循環を支えているのが「血圧」である。

体の隅々にまで血液を送るには血液に圧力をかけて送り出す必要がある。この血液循環に必要な血液の圧力が「血圧」で、血管の中を流れる血液の勢いが動脈の壁に与える圧力を指す。


血圧を上げる要因

血圧を決める大きな要素は、心臓から拍出される血液の量(心拍出量)と血管の抵抗です。「血圧=心拍出量X血管抵抗」の関係です。

※心拍出量とは、心臓が1回で送り出す血液量のことで、心拍数・心収縮力・循環血液量(血液全体の量)の変化により増減します。

※血管の抵抗性とは、血液の流れに対する血管の抵抗のことで、血管の内径や弾力性で規定されます。血管に「動脈硬化」などが起きていると、血液がスムーズに流れず、血管に抵抗性が生じて血圧が上がります。

※動脈硬化とは、動脈の内径が狭くなったり弾力性が低下した状態で、太い血管だけでなく、末梢神経の細い血管でも起こります。

高血圧による心肥大とは

高血圧の状態が長く続くと、心臓はより強い力で全身に血液を送り出そうとしてはたらくため、次第に心筋が肥大してくる。特に、血液を全身に送り出す左心室の壁が厚くなります。

高血圧が引き起こす心臓のもっとも直接的なものは、高血圧性の心肥大です。心筋は絶えず収縮・拡張を繰り返しているので、たくさんのエネルギーを使います。そのため、常に冠状動脈の血液から酸素を取り入れる必要があります。ところが肥大した心筋では、酸素の供給量が減っているため心筋を構成する細胞が酸欠状態に陥る。高血圧が長く続いて心肥大がひどくなると、心臓がその負担を支えきれず、心臓のポンプ機能が低下し、ついには心不全に陥ります。心不全になると動機・息切れが起こり、しだいに呼吸困難になってしまいます。

高血圧はその人その人に合せた対応が必要になります。



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